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第11回の報告

今月15日(日)に行われた第11回の報告です。

会場は「まちなか交流館」(旭川市4条7丁目)2階の「HI・RO・BA」で行われました。
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今回の企画&進行は代表の高田知哉旭川工業高等専門学校准教授)さんです。
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ゲストは旭川工業高等専門学校教授の富樫巌さんです。富樫さんはカビキノコといった菌類についての研究をしています。
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今回のタイトルは「働くカビ、浮気なキノコ、そして・・」です。富樫さんがこれまで林産試験場や高専で行ってきた研究成果の話を、このタイトルにあるとおり、カビやキノコの特徴を人間の性格に時折例えながら、わかりやすくお話してくださいました。
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①「働くカビ」とはツチアオカビ(トリコデルマ菌)のことです。
キノコは樹木に寄生して成長しますが、これは木を腐食してしまう原因にもなっています。トリコデルマ菌というカビはキノコに寄生してキノコを退治してしまう性質を持っており、このトリコデルマ菌の性質を利用して、木材の腐食を防止する手法を富樫さんは開発しています。

トリコデルマ菌の標本
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②「浮気なキノコ」とはナラタケやボリボリという種類のキノコのことです。
キノコは樹木に寄生して成長しますが、これらのキノコはエタノールやベータカロチンを多く含んだニンジンエキスの培地で育てると、キノコの根っこの部分にあたる根性菌糸束の成長が樹木で育てるよりも早くなることを富樫さんは見つけました。この特徴を利用したキノコ栽培の話をお話していただきました。


ここで休憩です。
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富樫さんがカビやキノコの標本を持ってきてくださいました。
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休憩時間中、参加者は熱心に標本を見ながら、富樫さんの説明を聞いています。
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高校でキノコ栽培を研究している高校生も富樫さんに熱心に質問をしていました。
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後半のお話です。
③「そして・・」は天然資源を利用したカビ退治についての話です。
その昔、クレオパトラがお風呂にバラの花を浮かべて入っていたと言われていますが、そのバラが浴槽に出てくるクロカビの退治に効くという話です。
バラだけでなくラベンダーの精油を使うことで、市販の化学製品並みにクロカビを除去することができる手法を富樫さんは開発中です。バラは当麻町の産地、ラベンダーは富良野が産地ということで、旭川近郊の産物がカビ退治に役に立っているんですね。


今回の参加者は15人でした。みなさん熱心に富樫さんのお話を聞いたり、質問をしたり、ゲストと参加者の距離がとても近いアットホームな雰囲気の回となりました。
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by asacafe-iinkai | 2012-01-22 15:50 | 第11回  

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